

ゴン社長
「削る!」仕事を始めて25年!根っからの職人気質の父から叩き込まれた「技」は骨まで染みつき、若き日に寝ずに格闘したCADも今や電卓代わり!明るく楽しく苦労するのが好きな、自称「生涯青春」の50オヤジです。このコーナーは、日本のヘソと言われている諏訪湖のほとりで、製造業を営むゴン社長に、記者のスワちゃんが、いろいろ質問して答えていただくコーナーです。
第10回 岡谷市を21世紀の医療技術最先端地域に!
スワ記者
では今回は足病学の権威のお話を元に、ゴン社長が進めようと考えておられる内容についてお伺いしたいと思います。足病学と言っても、日本では全然見向きもされないし、教えている大学も無いし、学位を取っている人もほとんど居ませんよね。
ゴン社長
そうなんです。佐藤さんに言わせれば、ちょうど日本が明治に入って眼鏡という物を知って、眼鏡を掛けて視力を補正すれば、小さい文字が読めるだけでなく、肩凝りも治り、偏頭痛も治った!こんないいモノが世の中には有ったのか・・・と驚いたのと似ていると言うのです。
スワ記者
なるほど自分の足に、マッチしていない靴を履いていることが、いかに大問題であるかということを、認識しないで、しょうがないのだ・・と諦めている人が多いと言う事ですね。
ゴン社長
日本人が、日常靴を履き始めてから、まだ100年経っていません。欧米の歴史に比べたら比較になりませんから、どうしても欧米の知恵に学ぶしかないと思います。
スワ記者
聞くところによると、足病学の先生が日本でアンケートを実施したら、自分の足や、お子さんの足のサイズを正確に言えたお母さんは4パーセントだったらしいですね。
ゴン社長
それだって、長さだけですよ、日本の靴のサイズの選び方の。それでも、96パーセントの人が知らないし、測ったことさえないのです。最近やっと2Eとか3Eとか、靴の幅を問題にするようになったけど、そこまで問えば、ほぼ100パーセントが知らないと言えるね。
スワ記者
いかに日本人が、足に無関心かということですね。長さや幅以外に、甲高の人も居れば親指が一番長い人や、その隣の人さし指の方が長い人など、様々ですよね。
ゴン社長
靴だけに限らず、日本の大企業が作る製品の「規格」は買って使う人のために制定してあるものより、作って売る側が大量生産、大量販売に便利なように制定してあるものが多いのです。
スワ記者
だから、大体近いサイズのものを買って来て、自分の体を馴染ませるって感じなんですね。
ゴン社長
そうした、ちょっとした無理が、大きな健康障害になっていることを、これまでは無視してきたわけです。
スワ記者
最近入れ歯をした友人が居ますが、作ったあとも何度も歯医者に通って調整していました。ちょっと金具の角度が違うだけで、痛くて豆腐も噛めないって・・・
ゴン社長
ああ!いい例ですね。足の裏を足底板(そくていばん)で補正することは、歯の噛み合わせと同じぐらいデリケートな問題なのです。ですから、この足病学の話を聞いて思ったことは、車で言えば最初から大衆車を大量生産する計画を立てれば、それなりで終わってしまうということです。実は医療として、この足底板を必要としている方々が、驚くほどたくさんいらっしゃるのです。
スワ記者
そのような方のために高度な技術や知識を生かしていこうという考えですね。
ゴン社長
先ほどの眼鏡の例じゃないけど、100円ショップで売るような老眼鏡を、我々の先端技術を使って作る必要はありません。病気を治すために歩かなければならない、でも歩くと足が故障して切断に至ってしまうという人の為に、医療用として特化した受注生産方式にしていくのが理想です。
スワ記者
岡谷市は、昔は繊維工場の町でした。近代になって精密機械工業の町になり、日本のスイスと呼ばれるようになりましたが、今度は医療技術の最先端を歩む町になるかも知れませんね。次回はもう少し詳しくお聞きしたいと思います。
2005/5/14